BACKGROUNDSドクターが発するモヤモヤ声、クリニック専門施工会社としての使命感で始まったセカンドオピニオン。

コンパスは、多くのドクターから、来社・お電話・メールにより「今進めている案件が納得いかない」「完成したクリニックは、一見良いようで実は使いにくい」などというご相談をよくいただきます。 こんな多くのドクターのお話を伺うと、次のような背景が浮き彫りになり、セカンドオピニオンサービスを始めることにいたしました。

背景設計者や設計会社にクリニックの経験がほとんどない(住宅やマンションの設計が主体)

設計者にも得意・不得意分野があり、その大半は、住宅やマンション等の設計には慣れているが、クリニックや調剤薬局の設計には慣れていないと言ってもよいでしょう(例えば、100件の設計のうち、クリニックは3件など)。 仮にクリニック設計の経験があっても、多くの場合は一般内科か歯科であり、眼科や耳鼻科などの比較的少ない診療科の設計、または内視鏡などの器械を使う診療科の経験がある設計者は少なく、特に地方に行くほどクリニックや薬局の経験が豊富な設計者が不足しているという問題点が挙げられます。

背景個人開業のクリニック設計について書かれた書籍や参考書が非常に少ない

市販されている本は、デザインに凝ったクリニックや、大規模だったり病院に近いクリニックなどの事例が大半で、最も需要が多い一般的な「ビル診療所」について書かれた本は非常に少ないものです。 クリニックの経験が少ない設計者は、こうした本を参考にするため、普通の(奇をてらわない、使いやすい、無駄がない)クリニック設計を知らず、病院の設計の考えをもとにした提案を行ったり、 デザインに偏ったりすることが多いため、開業後に様々な問題に直面するケースがあります。

背景設計者・ドクター本人がクリニックでの「人」や「モノ」の動きを把握できていない

設計者やドクターがクリニックの人の流れやモノの流れ、業務の流れなどを知らないケースが多くあります。 個人のクリニックと大きな病院では流れ方も異なるため、設計の段階でもしっかりと業務の内容や人員の数などを考慮したうえで図面を起こすことが非常に重要となります。

特に改装などでは、そのクリニック独自の大切な流れや業務の支障になっている点を見つけ出すことができないままドクターが設計者と話をしても、話が通じなかったり、設計者がわかったふりをしてコミュニケーションが取れていないことも多く見受けられます。

CONCEPT私たちが考える、「クリニックの設計」とは―――

めざすのは「奇をてらわず、使いやすく、無駄が無い」クリニック

近年では、「きれいなデザインのクリニック」や「一見クリニックには見えないデザイン」を希望されるドクターが多くなっています。弊社でもご希望により森や海をイメージしたデザインや、カフェをイメージしたデザインなども多数手がけて参りました。

施工写真などを見る限り、デザインに重点を置いたクリニックは非常に見栄えが良く、多くの人の憧れの対象になります。しかし、現実には実際のテナントの大きさや、標榜科目により業務や機器が制限される中では、最終的に最も重要なのは「使いやすさ」になります。そのため、コンパスではデザイン面もしっかりと考慮しながら、機能性や利便性を損なうことのない範囲での実現を心がけています。必ずしも、機能性や利便性を重視したからと言って、「平凡なクリニック」になり得ることはありません。

テナントの大きさなどの理由でデザイン性が実現できない場合は、壁紙や床材、家具などで実現する方法も同時にご提案いたします。ドクターの意向を無下にすることなく、何十年先も満足して使い続けられるようなクリニックを、私たちはめざしています。

「病院」と「クリニック」で大きく異なる人とモノの動き方に着目

クリニックにおけるドクターの仕事内容は、それまで働かれていた病院でのそれと大きく異なってきます。
その違いを把握せずに設計を進めてしまうと、開業後のスタッフの数、業務の流れ、メンテナンスの頻度、患者に対応する時間などに影響をもたらしてしまいます。

ドクターにおいて、病院では「診療」という、重要でありながら部分的な仕事をしていたのに対し、クリニックでは診療を含め「全体」の仕事を行います。 つまり、診療だけではなく検査の仕事や経営者としての仕事もやらねばなりません。
また、それはクリニックで働くスタッフにも同じことが言えます。病院のように職種や業務が細かく分担されずに、例えば看護師が受付の仕事をサポートするなどの「兼務」が必要になってきます。 そのためには、先生やスタッフしか行かない場所、患者と先生・スタッフのどちらもが行く場所を分けて考え、各々を近い場所に集中させることによって無駄な動きを少なくしたり、患者の動く順番を考えて待合室や診察室などの位置を決めることが重要です。

つまり、クリニックで働くすべての人が「兼務」をしやすく、患者さんが動きやすい設計にしないと、非常に使いにくく、無駄の多いクリニックができてしまいます。 これは当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、「医療施設の設計に慣れている」と言いながら「病院の設計」と「クリニックの設計」を知らない設計者からは、クリニックに合わないプランが上がってくることがありますので注意が必要です。
コンパスの設計では、クリニックの職員が他のスタッフの仕事と兼務しやすくすることで、病院型の設計よりもスタッフの数が少なく済んだり、面積効率が1~2割上がる可能性もあります。

コンパス社内スタッフへの徹底したノウハウ共有

弊社には、過去の何百件の設計事例や診療科目別の情報を確認できる環境が整い、新たな傾向については常に会議で共有し、社員教育にも力を入れています。

これまで専門的にクリニックに携わってきたからこそ、クリニック設計のあるべき姿が明確になっており、クリニック設計のノウハウが新人を含む全社員に浸透しているのが特徴です。 設計においては、各スタッフが担当している物件が異なるため、互いに共有をしたり意見を交換し合ったり等が非常にしにくい環境にあると言えます。 ですが、弊社ではそのような部分を無くすため、社内会議や意見交換の時間を作り、スタッフ各々が持つ独自の感性とセンスを大切にし、経験や知識の差をカバーして、より良い設計をドクターに提供できるよう日々研摩に努めています。

私たちコンパスが、クリニック設計のお手伝いをさせていただきます。